時事的な話題に対する反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 17:07 UTC 版)
「佐藤大輔」の記事における「時事的な話題に対する反応」の解説
時事的な話題にも敏感に反応する傾向が見られる。上述の「湾岸戦争シミュレーション」もそうした一例だが、「婆沙羅という虚飾」については当時NHK総合テレビジョンで放送されていた大河ドラマ『太平記』ブームの鼻を明かしてやりたいという動機から執筆したことが明らかになっている。ただし、同書の中で佐藤は「婆娑羅」の語義を「金剛石=ダイヤモンド」のサンスクリット音写としての意味としてのみ用いており、『太平記』での「横紙破り、伝統への反逆」(戦国末から安土桃山時代の「傾奇者」の語義に近い)という意味では用いていない。 沖縄の扱いにもその影響を垣間見ることができる。『征途』では沖縄が史実よりまともな扱いになっており表現も極めて配慮されていた。しかし、その後着手した『遥かなる星』では第1巻刊行後沖縄米兵少女暴行事件が発生し、その後に出版した第2巻では1巻で全く触れていなかった(むしろ1巻だけを読むと「旧来の意味で言う日本」全体が無傷に取れる)沖縄に関して、「必要以上の反応兵器」で徹底的に焼き尽くし日本本土の盾にされたと記載し、反戦団体の不幸な顛末についても詳しく語られている。 その後もオウム真理教が破防法不適用になると『地球連邦の興亡』にてオウム事件を教訓と示唆しながら新興宗教の信者が皆殺しにされる、従軍慰安婦問題が盛り上がると『パシフィックストーム外伝』でそれまで触れたことの無かった慰安所について語られる、従軍慰安婦問題から歴史教科書問題に争点が拡大すると『皇国の守護者』にて当時の小林よしのりの主張に類似した「死に意味は無いからこそ価値がある」という一文が登場し、インターネットの普及で嫌韓サイトが爆発的に隆盛してくると、『平壌クーデター作戦』に複雑な経緯の北朝鮮の主人公を据え、理知的な朝鮮人が多数登場、それまでの日本中心のものとは一線を画すものとなり、朝鮮民族に対しても評価する表現が増えた。『皇国の守護者』では児童ポルノ規制に関連した批判が行なわれている。
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