旧海軍の技術・伝統の継承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 08:18 UTC 版)
「海上自衛隊」の記事における「旧海軍の技術・伝統の継承」の解説
護衛艦や潜水艦の建造は、ジャパン マリンユナイテッド(源流は日本鋼管・IHI・日立造船等)、三菱重工業、川崎重工業などで行われる。いずれも、戦前から旧海軍艦艇を建造した経験をもつ企業、およびその後身である。 旧海軍の九七式飛行艇や二式飛行艇を製造し、飛行艇については世界随一の技術を有していた川西航空機は、戦後に新明和工業となり、戦前からの技術を受け継いで、UF-XS、PS-1、US-1、改良型のUS-1A、現行のUS-2と、途切れることなく飛行艇の開発・製造を続けている。 海上自衛隊創設50周年式典では、石川亨海上幕僚長が式辞で「(Y委員会の旧海軍軍人ら)これら諸先輩の心を支え、苦難を乗り越えさせたものは、米内大将以下が海軍最後の日に誓った『新しい海軍』を再建し、再び『行進曲 軍艦』をよみがえらせるという一念であった」「われわれは、今後とも海軍のよき伝統を日本の財産として、堂々と継承してまいります」と発言している。また、石川は2002年7月に行われたNHKのインタビューにおいて、「海上自衛隊は単なる50年の海上自衛隊ではなくて、旧海軍77年の歴史と伝統を引き継いでいる」「(帝国海軍の解体から海上警備隊の創設まで7年の空白期間があるが、)それは空白期間ではなくて、やはり思いのある旧海軍の軍人が、海軍再建のために一生懸命研究し、勉強し、そして新たな海軍を再建するためにいろいろな努力をしていたと。それが海上自衛隊に引き継がれているし、われわれもそれを知らず知らずのうちに旧海軍の伝統の中、遺産の中に生きていると言っても過言ではない」と語っている。 旧海軍の慰霊祭に海上自衛官が参列したり、音楽隊の派遣を実施したりすることもある。 日露戦争で日本が大勝した日本海海戦の旗艦で、発足前に横須賀港に係留されて記念艦となっていた「三笠」は、海上自衛隊が管理する施設「旧三笠艦保存所」となっている。
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