旧カネボウの株式鑑定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 07:02 UTC 版)
「プルータス・コンサルティング」の記事における「旧カネボウの株式鑑定」の解説
旧カネボウ「株式買取価格決定申請事件」において東京地裁から鑑定補助人として委嘱を受け、DCF法により「1株360円」という鑑定を行った。 上記の鑑定の際に、日本市場における「株式リスクプレミアム」の数値について様々な論議があった。株式リスクプレミアムは、算定する際、より長い期間のヒストリカルデータを用いることが相応しいことから、プルータス・コンサルティングは、Ibbotoson Associates社の1955年から2005年の統計データ8.5%を採用した。 平成20年2月に日本経済新聞社から公刊された砂川伸幸京都大学院教授らの共著による「日本企業のコーポレートファイナンス」では、「何年間の平均値を参考にするかは、実践的な問題である。投資銀行マンや証券アナリスト、企業の財務担当者に話を聞くと、マーケット・リスク・プレミアム(株式リスクプレミアムと同義)を5%前後に設定していることが多い。現場では、過去30年から40年程度の平均値を参考にしているようだ。」としている。しかし、ファイナンス理論の最も権威のある教科書であるリチャード・ブリーリースチュアート・マイヤーズ共著「Principals of CORPORATE FINANCE」(日本語版 コーポレートファイナンス 日経BP社)によるとリスクプレミアムの計測については、「株式の各年の収益率は非常に大きく変動するため、短い期間の平均をとっても意味のないものとなるからである。非常に長期に当たる収益率を検証することによってのみ何らかの洞察を得ることができるものと思われる。」としている。 非常に長期に当たる収益率を検証した株式リスクプレムアムとしては、以下の数値がある。「日本経済のリスク・プレミアム」(山口勝業著 東洋経済新報社)では、1900年~2004年の105年間の平均として5.6%を記載している。また、「証券市場の真実-101年間の目撃録」(エルロイ・ディムソン、山田香織共著 東洋経済新報社)では、1900年~2000年の101年間の平均として6.2%を記載している。
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