日本語の男性語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 08:47 UTC 版)
男性語の起源には、侍語や、近世初頭に流行した奴言葉(旗本奴の言葉)や、幕末から明治時代の書生言葉、明治以降の学生言葉、日本軍の言葉などがある。なお、方言によっては言葉遣いの性差がほとんどない地域も多い。 男性語の特徴として、口頭での一人称表現の多彩さが挙げられ、「俺」「僕」「私」「儂(わし)」「己等(おいら)」「自分」などがある。女性は男性に比べて一人称の自由度が低く、「私」や「あたし」以外はほとんど使われず、男性一人称を使うことへの抵抗は根強く存在する(ボク少女を参照)。なお、「俺」や「儂」などは近世には女性も用いた表現であり、現在でも一部の方言では男女問わず用いる。 二人称は、改まった場所では「貴方(貴男, 貴女, あなた)」だが、私的な場所では「お前(御前)」「君」、乱暴な表現だと「てめぇ(手前)」などが使われる。軍隊では「貴様(きさま)」がよく使われた。 三人称は、「彼奴(あいつ, きゃつ)」「奴」「連中」など。 男性特有の語尾表現には「ぜ」「だろ」といったものがある。いずれもやや乱暴な表現であり、目上に対して使うと無作法とされる。また、書生言葉由来の古風な言葉として「たまえ」などがある。 強調の接頭語として、「ぶん」や「ぶっ」(「ぶん投げる」「ぶっ叩く」など)、「糞(くそ)」や「馬鹿(ばか)」(「くそ暑い」、「ばかでかい」など)を好んで使う者もいる。 命令表現には命令形をそのまま用いるぶっきらぼうな形(「しろ」「見ろ」など)が男性的とみなされる傾向もある。呼びかけには『おい』という居丈高な表現が多用される。 個々の表現では、「飯を食う」「腹が減る」などが男性語の例として挙げられる。
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