他言語での例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:50 UTC 版)
日本語以外の言語にも役割語は存在するが、役割語がどの程度確立されているか、どの要素が役割語の指標となるかは言語ごとに違いがある。そのため、役割語のイメージを他言語間で共有することは難しく、物語作品やメディア作品が翻訳される際、役割語の翻訳の仕方によって、作品や登場人物の印象が原語版と変わってしまうことが多々ある。例えば『吾輩は猫である』は、猫が「吾輩」や「である」という堅く偉ぶった言葉を使うところに可笑しさがあるが、『I Am a Cat』や『我是猫』と翻訳されるとその可笑しさは削がれてしまう。 英語では、人称代名詞のバリエーションが少なく、また方言の使用が地方色よりも「無教養」というイメージに結びつきやすいなど、日本語に比べて役割語の使用は限られている。英米文学で訛りや俗語らしさを表現する手法として、読むのに支障が出ない程度に綴りを意図的に崩す「視覚方言」(Eye dialect)がある。 朝鮮語では、日本語の男性語・女性語・老人語ほどはっきりした役割語ではないものの、敬語の使い分けなどによって性別や年齢の違いをある程度表現できる(朝鮮語の文法#敬語)。方言のステレオタイプでは、ソウル方言は東京方言と同じように標準的で都会的、北部の咸鏡・平安方言は東北方言と同じように素朴で地味といったイメージがある。
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