日本海オロロンラインとは? わかりやすく解説

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日本海オロロンライン

(日本海えびタコ街道 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/01 12:27 UTC 版)

国道231号幌〜床丹間。国道は山肌と海の間に設けられている
雄冬岬にある白銀の滝

日本海オロロンライン(にほんかいオロロンライン)は、北海道中北部の日本海側石狩市から稚内市までの国道231号国道232号および北海道道106号稚内天塩線の呼称である[1]。単にオロロンラインまたはオロロンロードとされる場合もある。

概要

北海道中北部の日本海側の海岸に沿って南北を走るルートで、国道231号・国道232号および北海道道106号稚内天塩線の各国道と道道をつなぐ。一般には起点を石狩市の石狩川の河口付近、終点は稚内とする約290km区間の道路を指す[1]

国道231号は、石狩市厚田区(旧厚田村)・同市浜益区(旧浜益村)、雄冬岬を経て留萌管内の増毛町(ましけ)を通り留萌市へ至る。かつては濃昼山道(ごきびる)、送毛山道(おくりげ)、雄冬山道増毛山道など交通の難所が多かったが、現在はトンネルの開通整備によりそこ以外はおおむね日本海を眺望できるルートである。

国道232号は、留萌市から小平町(おびら)・苫前町羽幌町(はぼろ)・初山別村(しょさんべつ)・遠別町(えんべつ)・天塩町(てしお)まで日本海沿岸を北上する。この沿線にはかつては並行して旧国鉄羽幌線が運行されていたが、旧国鉄分割民営化直前の1987年3月をもって廃線となっている。そのため現在でも旧羽幌線のトンネル坑口や陸橋などの遺構がまだ数多く見られる。各市町村には道の駅温泉などの施設があるとともに、天売島焼尻島がある羽幌町を更に北上すると利尻富士(利尻島)を望む日本海の眺望ドライブルートとして観光ガイドなどで紹介されている。

北海道道106号稚内天塩線は、留萌管内の天塩町から宗谷管内の幌延町(ほろのべ)・豊富町(とよとみ)・稚内市までを結ぶ。サロベツ原野の中を南北に一直線に通る道路は、オトンルイ風力発電所の風車が道路に沿って3kmにわたって並ぶほかは人家や電柱などの人工物がほとんどなく、海の向こうには利尻富士を望むことができる絶景ドライブルートとして知られる[2]。風車が建設される前にはこの道路のロケーションを生かして、国産自動車メーカーのCM撮影が行われていたことがある。

呼称の由来

「オロロン」は、天売島(北海道苫前郡羽幌町)に生息する絶滅危惧種の海鳥オロロン鳥にちなんだものであり[1]、「オルルーン、オルルーン」という鳴き声からオロロン鳥と呼ばれるようになったといわれている[1]ウミガラスの別名である。ペンギンに似た姿をしており飛ぶことよりも泳ぐことのほうが得意な鳥である。

羽幌町内には町が設置したオロロン鳥の巨大モニュメントがあり、字栄町(市街地南部)と字汐見(北部)の国道232号沿いの山側に1基ずつ設置されている。なお当初は羽幌港天売港にも1基ずつ設置されていたが現在は撤去されている。

観光開発推進協議会とトライアスロン国際大会の名称に

小樽市から稚内市までの日本海沿岸中北部の18市町村(小樽市・石狩市・厚田村(現 石狩市厚田区)・浜益村(現 石狩市浜益区)・増毛町・留萌市・小平町・苫前町・羽幌町・初山別村・遠別町・天塩町・幌延町・豊富町・稚内市・利尻富士町・利尻町・礼文町)などで構成された広域観光の促進団体「日本海オロロンライン観光開発推進協議会」(平成18年度末で解散)の名称で用いられた[3][4][5]。協議会解散後も小樽市から稚内市までを結ぶ観光ルートとして「日本海オロロンライン」の呼称が用いられ[6]、近年では北海道における日本海中北部沿岸ルートの呼称として使われるようになり、現在では各種地図やカーナビゲーションなどの道路表記にも用いられている。

また、1987年(昭和62年)から2006年(平成18年)までの8月に増毛郡増毛町から天塩郡幌延町までの港や国道などを主な会場として開催された「日本海オロロンライントライアスロン国際大会」の名称にも用いられた。

観光

主な温泉または宿泊施設

  • 番屋の湯(石狩市)
  • 岩尾温泉「あったま~る」および「夕陽荘/せきようそう」(増毛郡増毛町
  • オーベルジュましけ(増毛郡増毛町)
  • ゆったりかん(小平郡小平町)
  • とままえ温泉ふわっと(苫前郡苫前町)
  • はぼろ温泉「サンセットプラザはぼろ」(苫前郡羽幌町)
  • しょさんべつ温泉ホテル岬の湯(苫前郡初山別村)
  • 旭温泉(天塩郡遠別町)
  • てしお温泉夕映(天塩郡天塩町)

海水浴場・キャンプ場および名所など

  • 石狩浜海水浴場/あそびーち石狩(石狩市)
  • 白銀の滝
  • 雄冬岬
  • 雄冬岬展望台
  • 旧増毛駅
  • 旧増毛小学校校舎
  • 黄金岬(留萌市) - 夕日の名所
  • おびら望洋台キャンプ場
  • おびまる広場
  • 旧花田屋番屋
  • 上平風力発電風車群
  • 暑寒別天売焼尻国定公園(増毛町・羽幌町)
  • はぼろサンセットビーチ(羽幌町)
  • みさき台公園キャンプ場
  • 遠別町富士見が丘公園キャンプ場
  • 遠別町河川公園キャンプ場
  • 遠別町富士見海水浴場/みなくるびーち
  • N45(北緯45度)通過点記念モニュメント(幌延町
  • オトンルイ風力発電所(幌延町)
    •  現行の外観で2025年(令和7年)3月まで運転継続しその後は解体予定[7]
  • 利尻礼文サロベツ国立公園

脚注

参考文献

  • 佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 著「日本海オロロンライン」、松井謙介編 編『絶景ドライブ100選 [新装版]』学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015年9月30日、8-11頁。ISBN 978-4-05-610907-8 

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