日本国内における移入種問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 01:47 UTC 版)
「カブトムシ」の記事における「日本国内における移入種問題」の解説
北海道では本州産のカブトムシが人為的に導入され、各地(平成22年時点で47市町村)に定着している。1936年の大沼周辺での導入記録が最も古く、本格的な定着は1970年代頃からと考えられる。定着の背景には、飼育個体の逃亡や放虫、植栽樹木の根回りへの混入などが挙げられる。また、自治体が観光資源として積極的にカブトムシの導入を奨励しているケースもあるが生態系や遺伝子のかく乱などの原因となりかねないため厳禁である。 北海道の外来種リストでは生態系への影響が最も懸念されるカテゴリーに分類されており、カブトムシを野外に捨てないよう道がホームセンターなどで呼びかけを行っている。 本来カブトムシが生息していない地域に本種が侵入することで、クワガタムシ類などの樹液を餌とする在来昆虫と競争する可能性がある。大量発生時にはウリ科の農産物の食害を引き起こしたこともあった。ちなみに、南西諸島等のサトウキビ栽培地域では、カブトムシ亜科に属する別種のサイカブトがサトウキビの農業害虫として駆除の対象になっており、桃園やリンゴ園といった果樹園でも農業害虫とされ、網を張るなど侵入対策が施されている。 一方、沖縄県では、ペットとして販売されている本土産のカブトムシと沖縄固有亜種のオキナワカブトムシが交雑することによる遺伝子汚染が危惧されている。また、それ以外の地域でも、飼育ブームの裏で放虫されたカブトムシが、地域独自のカブトムシの遺伝的多様性を脅かす恐れがある。いずれにせよその地域以外で採集した、または購入した個体を放虫することは厳禁である。
※この「日本国内における移入種問題」の解説は、「カブトムシ」の解説の一部です。
「日本国内における移入種問題」を含む「カブトムシ」の記事については、「カブトムシ」の概要を参照ください。
- 日本国内における移入種問題のページへのリンク