日本国内における異名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 10:21 UTC 版)
赤い実(種子)に辛みがあるため、「ヤマアララギ」(アララギはふつうイチイのこと)、「コブシハジカミ」(ハジカミはサンショウのこと)ともよばれる。地域によってはコブシの花の時期に稲の苗代や種まきをしたことから、コブシは「タウチザクラ(田打桜)」や「タネマキザクラ(種まき桜)」ともよばれた。北海道の松前地方では、遠見だと桜に似ているが花期が桜より早いことから、「ヒキザクラ」、「ヤチザクラ」、「シキザクラ」などとも呼ばれる。また同様に桜に先駆けて咲くことと、花付きのよい年には豊作になるとされることから、「マンサク」(「先ず咲く」、「満作」の意)との名もある(標準和名でマンサクとよばれる植物は別の植物である)。栃木県ではコブシの花が咲く頃を目安にサトイモの植えつけを行ったため、「芋植え花」と呼ばれる。 アイヌ語では「オマウクㇱニ(omawkusni)」、「オㇷ゚ケニ(opkeni)」と呼ばれる。前者の原義は「そこ・香気・通る・木」を意味する「オマウクㇱニ(o-maw-kus-ni)」からとされ、後者はその良い匂いに誘われて病魔が来ることを防ぐための忌み名であり、「放屁する・木」を意味する「オㇷ゚ケニ(opke-ni)」を原義とするとされる。しかし、前者についても同音で「尻・風・通る・木」とも解釈できることから、当初はどちらも同じ意味で、前者についてだんだんと意味が変化していったのではないか、と考えられている。
※この「日本国内における異名」の解説は、「コブシ」の解説の一部です。
「日本国内における異名」を含む「コブシ」の記事については、「コブシ」の概要を参照ください。
- 日本国内における異名のページへのリンク