日本国への賠償請求
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 07:41 UTC 版)
詳細は「731部隊細菌戦国家賠償請求訴訟」を参照 1997年に中華人民共和国の180名が、ハーグ陸戦条約3条違反などにもとづき細菌戦の被害者への謝罪と賠償を日本政府に求める裁判を日本で起こした(731部隊細菌戦国家賠償請求訴訟)。2002年、東京地方裁判所は、ハーグ陸戦条約が個人に国際法主体性を認めておらず、また日中平和友好条約で日中共同声明の「戦争賠償の請求放棄」原則が確認されて国際法上は国家責任は決着した、補償法令の立法不作為も認められないなどとして請求を棄却し、原告側が敗訴した。他方、東京地方裁判所は細菌戦の事実関係について、当該訴訟では原告側の立証活動だけで被告側による反証活動がされていないという制約があり、複雑な歴史的事実であるから歴史の審判に耐え得る事実の認定は学問的な考察と議論に待つほかはないとしたうえで、当該裁判所の事実認定としては731部隊や中支那防疫給水部(1644部隊)が1940年から1942年にかけてペスト感染したノミを散布したり、コレラ菌を井戸に入れるなど細菌兵器の実戦使用(細菌戦)があったと判断した。2005年の控訴審判決でも東京高等裁判所は細菌戦の事実認定について上記と同様の判断を下しつつも賠償請求は棄却するという原審判断を踏襲した。2007年には最高裁判所が原告による上告および上告受理の申立てを棄却したため、上記の地裁・高裁判断に基づく賠償請求棄却、すなわち原告側の敗訴が確定した。
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