日本における自殺攻撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:25 UTC 版)
「日本ロマン派」、「伝統の発明」、「神風特別攻撃隊」、「バンザイ突撃」、および「日独関係」も参照 日本の敗色が濃厚となっても、海軍の戦略家は「すぐれた日本精神の発露」によってアメリカをなぎ倒すことができると考えていた。「すぐれた日本精神の発露」とは、死を「神聖な犠牲」として受け入れるよう命じられた若者たちによる、神風特攻だった。 神風特攻隊はしばしば本来の目標を外し、爆発したり海面に墜落したりしていた(『国史大辞典』では「全期間を通じての特攻戦死者数は約四千四百人、命中率は十六・五%であった」とされている)。隊員は地上での最後の想いを、例えば次のように説明した。 私たちは熱っぽく語り合っていた。新海と私は、発見した最大級の敵艦を沈めようと互いに誓った。私は自分の年齢を考えた。19歳の春である。「純な清らかなまま死ねること、人々が惜しんでくれるうちに死ねることこそ真の武士道だ」という言葉を思い返していた。そうだ、いま武士の道を進んでいるのだ。 … 私の眼は輝いているのを感じた。アンザイ・ノブオ中尉が歌を引いて、私にこれから桜のようにいさぎよく散ってゆくのだ、と言ってくれたのを思い出した。その桜をいま握り、万歳の声が一段と高くなったのがわかった。土浦での教官藤村サダヲ大尉の言葉がいま私の胸をいっぱいにしていた。「死を目前にして顔をそむけるな。死ぬか生きるかわからぬとき、つねに死を選ぶほうがよいにきまってる……」 この種の感情表現には、定型句(例えば「桜の花のごとく散る」や「武士道に従う」など)が多く、実態を見極め難い。これに対して、特攻隊員たちが家族や友人に宛てた手紙には、より一層の思慮や苦悩が記されている。
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