日本における臍帯血移植
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:05 UTC 版)
日本の臍帯血移植の件数は世界最多であり、2007年までのデータでは3546件の非血縁者間臍帯血移植(公的バンク)が行なわれ、これは世界の4割を占める。日本では2011年には1100件の臍帯血移植が行われ、2012年5月では日本での臍帯血移植の総件数は8400件を超え、2012年までの累計でも日本での臍帯血移植は世界の総臍帯血移植件数の約1/3を占めている。アメリカやヨーロッパの人口(それぞれ3億人以上)と日本の人口(1億人強)を考慮すると、日本では臍帯血移植が非常に多く行われているといえる。(欧米では非血縁者間での幹細胞動員末梢血移植(PBSCT)が多い。日本では長く非血縁者間でのPBSCTは認められておらず、2010年から日本でも非血縁者間でのPBSCTは認められるようになったが、欧米での実績に比べるとゼロに等しい)。2015年においても世界の臍帯血移植の累計で約1/3が日本で行われている。2015年、日本では臍帯血移植は年間で約1200件行われ、累計では12853件となっている。日本で臍帯血移植が多い理由としては保険制度で欧米より費用が安く済むことと、日本人の体格は一般に欧米人より小さいので細胞数の少ない臍帯血でも移植が可能などの理由があげられている。日本では臍帯血バンクは2018年現在6バンクである。臍帯血の採取には医療スタッフ数の充実や設備の一定の基準の達成や、スタッフの技術が必要なのでどの病院でも採取できるわけではない。2012年5月現在では臍帯血の採取病院は98ある。2018年現在採取された臍帯血を調製保存する臍帯血バンクは以下の通りである。 非血縁者間臍帯血移植の方針例、一戸(2013)より引用。 レシピエントのHLA抗体のスクリーニングを行い、抗体の保有が判明した場合には、その標的となるHLAを発現しないさい帯血ユニットを優先的に選択する。 15歳以下の症例に対しては、一定の有核細胞数が確保されていればHLA適合度の高いさい帯血を優先的に選択する。 16歳以上の症例に対しては、HLA適合度にかかわらず有核細胞数の多いさい帯血を優先的に選択する。
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