日本での食用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 06:17 UTC 版)
縄文時代、採集・狩猟生活を送っていた縄文人(日本列島に住んでいた先住民族たち)にとってはドングリ・クルミなど堅果類が主要な食物資源であったわけであり、クリも食されていたと考えられている。縄文人の円形の集落の周囲には、意図的・計画的にドングリ・クルミ・クリなどが植えられ栽培されていた痕跡が残っている。(果実については果皮が薄いため、考古遺跡の遺物として出土することはまず無いが、クリの木を栽培していれば自然に実がなるわけで、それを食べない理由が無いので、当然食べていたと考えられている。) 戦国期から近世には蒸した栗果を扁平に加工した菓子である勝栗(打栗)が縁起物として重宝され、近世には地方名物として献上品にも用いられた。茹でたり焼いたりするのが一般的な食べ方。南ヨーロッパの森林地帯では、栗の実を乾燥して粉にしたものを小麦粉の代用品にしていた。 日本では、栗を干した後に搗(つ)いて殻と渋皮を除去したカチグリ(搗栗)が利用されていた。カチグリは名前が「勝ち」につながるため武家の縁起物とされた。日本在来種の栗は渋皮が取れにくくカチグリにするための手間がかかるため、近年では渋皮の取れやすい海外産の栗が安価なカチグリの原料とされている。 栗金団栗かの子 - 芋餡でなく栗餡を用いる栗金団。長野県小布施町の名物として知られる。 栗きんとん - 岐阜県東濃地方名産の和菓子で、「栗金団」とは異なる。 栗饅頭 栗羊羹 栗落雁 - 長野県などの郷土菓子。 甘露煮 栗御飯 茶碗蒸し - 北海道、青森県などでは銀杏に代わって栗の甘露煮が具として加えられる。 ちらし寿司 - 愛媛県南予地方で定番の郷土料理。 近年では百均のダイソーで「むき甘栗」(「有機栽培栗100% こだわりのむき甘栗」、中国産のもの)が100円で販売されており、手軽に安く手に入るのでリピート買いするという人も多い。
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