方言成語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 08:52 UTC 版)
各地の方言の差異が大きく、かつそれぞれの地方が長い歴史を持つ中国では、中国標準語の成語以外に、地方独自の4字構成を中心とした「方言成語」が多数存在する。ただし、成語とすべき範囲、すなわち諺との違いや字数、書面性の有無などについてはまだ学会共通の認識には至っていない。 方言成語の特徴は、明確な出典となる書籍がなく、伝承によっていること、成語を使用する場面が、書面語ではなく、口語中で使っており、一般大衆が広く知っていること、語彙が分かりやすく、内容も通俗的であること、同じ大方言区内でも地域差が存在すること、もともと5音節の内容が音の結合で4音節に変化しているものが存在すること、などがある。 中国の方言成語の例 野山没量 - 野蛮極まりない (晋語寧武方言) 一天世界 - 散らかり放題 (上海語) 猪朋狗友 - 悪友 (広東語) 不会暁抽退 - 抜け出す術を知らない (閩南語。「不会」は boe と1音節で読む) 日本の方言における四字熟語 なお、特定地域の方言でのみ使われたり、地方独特の事物に関し、かつ和語を含まない四字熟語は日本語においても少数存在する。 一軒露次 - 表家と表家との間から細い路地を入った奥にある一軒家 (大阪方言) 器用報恩 - 正月は一日常用の器具を休ませる (長崎方言) 千苦万苦 - 多くの苦労 (琉球語/琉球方言) この他、中国ではチワン語、ペー語などの多くの少数民族語においても、成語は広く借用され、使われている。
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