方格規矩文の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 21:36 UTC 版)
方格は、古代中国の宇宙観を示す天円地方を示しているとするのが定説である。古代中国では方形の大地が万物を載せ、それに円形の天が蓋のように覆いかぶさっていると考えられていた。したがって地面を示す方格を、天を示す円周が囲み、その間が天と地の間の空間となる。ここに四神を配置する場合は天を示す円周に立つように描かれており、天に居ることを示している。また、方格には十二支が篆書で記されて方位と時刻を示している。 一方で規矩文(TLV)については見解が分かれている。 カプラン(1937)は、このルーツ画像石とし、その用途を占星盤と推測した。 イエッツ(1939)は、日時計を図案としたもので、L字形を夏至・秋分・冬至・春分とし、V字形を四季の始まり、T字形を空間と推測した。 カマン(1948)は、明堂のレイアウトであり、L字形を沼沢地を限る柵、T字形を四方、V字形を地の果てにある四海の一部と推測した。 林巳奈夫(1973)は、T字形を『論衡』談天に出てくる点を支える柱「四極」であり、V字形を『淮南子』天文訓にある「維」の方角(北東・南東・南西・北西)にある鈎、L字形を同じく『淮南子』にある縄(墨壺)を表すと推測した。 曽布川寛(2014)は、林説を継承発展させ、鈕と四葉座を天極星とし、全体を天極星のさらに上から、天極星と天円と地方を重ねて俯瞰した構図と推測した。
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