新庄長溝用水
![]() 現一の井出取水口 |
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疏水の概要 |
■疏水の所在 山口県柳井市黒杭から新庄地域 約7km ■所在地域の概要 山口県の東南部に位置する柳井市は、瀬戸内海周防灘に面し気候温暖で風光明媚な街である。古くから水陸交通の要衝として商業が栄え、江戸時代には「岩国藩の御納戸」と呼ばれるほど繁栄を見せたました。今でも柳井商人の心意気が街づくりに生かされています。 ■疏水の概要・特徴 新庄長溝用水は、今を去る300年前に新庄村の庄屋岩政次郎右衛門の尽力により、当時の柳井村黒杭ハゼケ谷の井出口から、忠信地区の背後の丘を回って新庄余田堀まで約7kmに亘って開削された疏水である。 特に、工事着工に至るまでは、次郎右衛門が3年をかけて取水源を求め、水路をどのように付けたらよいか地形調査、測量を行ったもので、現在の地図で取水口から終点までの標高差を計算してみると、平均して1,000分の5の勾配が取られており、山肌を縫っての測量は当時の技術からみれば驚異のものである。工事は、藩営で行われたものであるが、3年の歳月をかけ新庄村民総出により延べ、9,000人の人手による大工事であった。 この水路の完成により、新庄村は飢饉から解消され、現在まで農業振興に貢献している。 |
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