新人の登用と専属契約制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 00:11 UTC 版)
「週刊少年ジャンプ」の記事における「新人の登用と専属契約制度」の解説
創刊以来、新人作家を積極的に登用し続けている。これは創刊時点で後発だったことから、当時の他誌で人気作品を連載している漫画家を確保出来ず、連載作家のほぼ全員を新人で揃えることになったことに由来する。この方針は、週刊少年漫画雑誌で最大部数を誇るようになってからも継承されており、現在でも編集部は新人育成に力を入れている。近年ではデビューを目指す漫画家志望者に対し、現役の連載作家や編集部員を講師に招いた『ジャンプの漫画学校』を開催している。 本誌でデビューした作家は必ず集英社と専属契約を結ぶ。この契約が結ばれている間、作家は原稿料と別に契約料を貰える代わりに、他の出版社での仕事や専属契約終了後を見越した交渉をすることすらできない。各作品の欄外における「○○先生の漫画が読めるのはジャンプだけ!」などの煽りはこの契約によるものである。「ハレンチ学園」の作者・永井豪が他誌でも連載を開始し、危機感を持った編集長(当時)長野規が発案した。「男一匹ガキ大将」を連載していた本宮ひろ志と最初に契約が結ばれた。しかし、本来の最終回を西村により勝手に修正され、不本意な連載延長を強いられたため、本宮は本作の文庫版から該当部分以降を削除した(電子書籍版では復活)。このような編集による作品への過剰な介入や人間関係が問題となった事例もある。 西村は集英社退社後に自著で「漫画家に対する執筆保証の項目がない他、契約期間中は他誌との執筆交渉すらできないという点で、極めて編集部に有利な契約である」と指摘している。ジャンプと同じく専属契約制度がある週刊少年マガジンでデビューし専属契約していた赤松健は、作家1人につき3人の編集者が意見を出すマガジンや、専属契約制度が無く作家と編集の結びつきが弱い週刊少年サンデーと比較し、合わない編集者が当たった場合は辛いのではないかと発言している。 甲斐谷忍、キユ(現・松井勝法)、霧木凡ケン(現・桐木憲一)、濱田浩輔など、本誌ではヒット作を出せなかった作家が契約を更新せず他誌・他社へと活動の場を移して成功した例もある。 漫画原作者については漫画家から転向した者(稲垣理一郎など)や、他社でデビューした小説家(西尾維新など)が起用されることもあるが、ストーリーキングなど漫画原作者の新人賞を開催し人材発掘を行っている。
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