新たな有機物生成過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 07:05 UTC 版)
化学進化の第一段階である有機物合成には、当時の地球大気を再現していないユーリー-ミラーの実験に代わる過程が必要になるが、それには以下の様な過程が明らかになっている。 衝突によるアミノ酸の合成 当時の地球には隕石が大量に降り注いでいたことが分かっている。それらの多くには鉄や炭素が含まれていて、地球への衝突の際に炭素や窒素が還元され、アミノ酸が合成されることが明らかになった。彗星の衝突でも同じように合成されることが明らかになった。 地球外からのアミノ酸の飛来 宇宙から飛来する隕石の中には多くの有機物が含まれており、アミノ酸など生命を構成するものも見られる。例として1969年、オーストラリアのメルボルン北方に落下したマーチソン隕石(炭素質コンドライトと呼ばれる)から、アミノ酸、炭化水素、核酸塩基などの有機化合物、脂質で包まれた細胞膜に似た泡が発見されている。分析技術の発達により、これらの隕石中のアミノ酸がホモキラリティーを持つことも確認された。さらに彗星中のチリにもアミノ酸が存在することも確認されている。これは地球上で汚染されたものであるという可能性が捨てきれないが、NASAなどの研究チームが南極で採取した隕石を調べたところ、DNAの基となる物質アデニンとグアニン、生体内の筋肉組織に含まれるヒポキサンチンとキサンチンが見つかったため、この説を裏付けることとなった。隕石からはRNAに含まれるリボースも見つかっている。
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