文書の受容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 09:56 UTC 版)
自由民主党衆議院議員の木村太郎は、当時の内閣総理大臣鳩山由紀夫が行った万歳三唱について、「正式な万歳とは違うように見受けられた。日本国の首相として、万歳の仕方をしっかりと身につけておくべきだ。首相は作法を知っているか」という質問主意書を2010年(平成22年)2月3日提出をし、国会でも質疑を行った。なお、質問主意書への答弁書として、鳩山は衆議院議長を通して「万歳三唱の所作については、公式に定められたものがあるとは承知していない」と返答した。 田沼隆志は、日本維新の会所属の衆議院議員であった平成25年(2013年)10月19日に、自身の公式ブログで祝賀会の様子を報告した際、『万歳三唱令』に基づいた礼式を「正式である」として、写真とともに紹介した。 2019年10月22日に行われた徳仁の即位礼正殿の儀において、当時の内閣総理大臣安倍晋三が行った万歳の仕方を称賛する形で「手のひらを内側に向けるのが正しい万歳」という言説がTwitterなどで拡散し、再び万歳三唱令に注目が集まった。 前述の創作者グループを取材した『熊日新聞』は、2017年の衆議院選で共同通信が全国の新聞社に配信した写真を見ても、北海道から九州まで、当選者が両手を内側に向けて万歳しているポーズが半数以上あることを挙げ、グループが活動を控えてから20年近く経っても『万歳三唱令』が社会の記憶から消え去ることはなかったようだと指摘している。さらに、インターネット上では万歳三唱令を本物の太政官布告として紹介する動画や、『万歳三唱令』はニセ文書だと指摘しながら「書かれている万歳の作法は伝統に則っている」などの擁護論もあると報じている。ただし、正萬会議メンバーによれば『万歳三唱令』は完全な創作で、お手本となる「伝統」は存在しない。 佐藤達哉は、この状況が続くと『万歳三唱令』に記載されたやり方がデファクトスタンダードになりうるとし、そうなれば最初の「万歳」ポーズが行われた1985年から30年を経て新たな文化が創造されたともいえ、「嘘から出た真」を地で行く話で全く痛快ではなかろうかと論評している。続けて、熊本に『万歳三唱令』発祥の地、または「手のひら内向きバンザイ発祥の地」という記念碑を立てたらどうだろうかとも提言し、それくらいのユーモアセンスがあってこそ『万歳三唱令』創作者たちの創意工夫と諧謔味へより接近することができ、新しい文化もより輝くだろうと述べている。
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