操縦者への負担
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 14:45 UTC 版)
「グラウンド・エフェクト・カー」の記事における「操縦者への負担」の解説
グラウンド・エフェクト・カーには非常に強い下向きの力がかかるため、サスペンションのスプリングレート(ばねの固さ)を極端に高く設定しなければならない。またサイドスカートが地面から離れないよう、サスペンションが作動する幅は短く制限する必要がある。つまりサスペンションが無いに等しい状態となる。ポーポイジングの解消も、スプリングレートの増加によって行われる場合が多い。その結果、ドライバーの身体には、路面からの衝撃がほとんど直接伝わってしまうという過酷な状況が生まれてしまった。グラウンド・エフェクト、ターボ時代のF1世界チャンピオンのニキ・ラウダは「グラウンド・エフェクト・カーはドライバーのテクニックの巧拙ではなく、高速のままコーナーに突っ込めるかどうかの蛮勇が問われるだけ。身体にかかる負担も大きく、非常に危険で、非人間的」と激しく非難していた。 グラウンド・エフェクト・カーを誕生させたロータスの総帥コーリン・チャップマンも、サスペンションの機能不全を憂慮していた。ロータス・88の使用禁止にもめげず、アクティブサスペンションの開発を進めさせたが、装置の実用化を見届けることなく、1982年12月に急逝した。 また、ウイングの面積を最大化するため、従来の扁平型のモノコックに代わり細身のモノコックが採用され、燃料タンクもサイドポンツーン内部からコクピット後方へ移設された。このため、ドライバーシートは前方に移動し、両脚はフロントノーズの先端近くに位置するようになり、事故の際に負傷する危険性が高まった。 のちにフットボックスの寸法規定が導入されたが、空力的効率を優先するためドライバーが窮屈な着座姿勢を強いられるという状態は、現在に至るまで変わっていない。
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