撮影とトラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 20:50 UTC 版)
「セカンド・ラブ (映画)」の記事における「撮影とトラブル」の解説
本作は大原のヌードを巡り、東映と大原サイドで揉め、マスメディアを賑わせた。シナリオではラスト近くに「ベッドの中で激しく身もだえて果てる」という一行だけだったが、幻燈社のプロデューサーで東監督の盟友・前田勝弘が「東陽一の女性映画の総集編にしたい」と話し、1983年2月3日での製作会見でも東監督が「夫婦を描くのだから、当然セックス・シーンはある」と明言し、「共演の中村れい子のヌードだけでは済まないだろう」と評された。脱がない女優の世評高い大原も「濡れ場、妊娠もあります。私は監督におまかせします」と殊勝な答えをし撮影もスムーズに進むものと思われた。ところが撮影が始まると大原はヌード拒否発言を連発、大原は当時有名なサントリーCMで見せる"かわいい妻"ぶりっ子などで大人気女優でもあり、スポーツ新聞や芸能誌に度々記事が載った。 このトラブルは当時の週刊誌に異なる記述がされている。『週刊文春』は「大原は東監督の撮る女性映画というので出演をOKし、胸は見せなくてもいいという申し入れを東も了承していた。ところが大原が『脱がない』と宣言されては話題性が乏しくなり、興行面での不安を感じた東映サイドは『曖昧にボカして欲しい』と大原に頼み、やむなく大原は先の製作発表での記者会見で協力した。ところがそれを知ったファンから『脱ぐな』と書いた手紙が殺到し、結局、本当のことを言おうとなった。東は"脱がせ屋"の異名をあるほどの女優を脱がした実績もあってプロデューサーは、現場に入れば東が大原を脱がすんじゃないかと期待していたが、東もこのような東映の宣伝方法には『あまり気に入らない』と苦言を呈した」と書いている。 『週刊文春』は、大原が脱がないことを東監督も了承したとしているが、『週刊現代』は「大原クンがヌードもOKといったんは引き受けてくれたと東監督が話した」と書いている。ファンから『絶対に脱がないで』と抗議の手紙が殺到したことは両方同じだが、大原も「ファンの夢を壊したくない」とヌードを拒否したことで、「今ごろハダカはイヤと言われても困ると、大原の突然のヌード拒否で東監督が頭を抱えた」「大原は夫の森進一にベッドシーンがあることを伝えてなく、大きな騒動になったことで森が難色を示した」などと『週刊現代』は書いている。映画の製作費が2億円で、うち監督料が500万円と東が話しており、高過ぎることから、東に大原を脱がせてもらうという条件込みの高額監督料だったものと見られる。東映は1982年の『鬼龍院花子の生涯』の折にも各男性誌を飾った夏目雅子のヌードが、実際の映画にはなく不興をかこったり、『野獣刑事』でいしだあゆみを脱がせ、いしだのヌードのスチール写真を無断でマスメディアに流し、いしだから抗議を受けたりした宣伝上手で知られたため、今回も撮影本番中にスチールを撮りたいと申し出て大原に拒否されていた。撮影終了後に大原は「ヌードは一生お見せしません。ヌードで勝負なんて私はそういう女優じゃありません」などと突っ張った。
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