指名打者への代打
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指名打者に代えて代打者を使った場合には、その代打者が以後指名打者となり、いったん退いた指名打者は再び試合に出場できない(野球規則5.11(a)(4) )。 1982年8月12日、近鉄バファローズ対阪急ブレーブス戦 阪急監督の上田利治はこの試合の近鉄の先発投手を読み切れず(実際には左腕投手の鈴木啓示が先発した)、指名打者に投手の山沖之彦を偵察要員として起用し、1回に山沖に打順が回ると右打者の河村健一郎を代打に送ろうとした。だが上記ルールによって打者交代が認められず、山沖がそのまま打席に立つ羽目になった(山沖は三振)。 1998年5月15日、オリックス・ブルーウェーブ対福岡ダイエーホークス戦 オリックスの指名打者として先発発表されていたトロイ・ニールが試合開始直前になってひどい腹痛を訴えた。しかしメンバー発表後であったため上記ルールにより交代は認められず、ニールは体調不良のまま打席に立たなければならなかった。ニールは第1打席で本塁打を打つと全速力でホームまで走り、ハイタッチもする間もなく、そのままトイレへ直行した。ニールは結局次の打席で代打を出されて交代した。 2011年5月20日、オリックス・バファローズ対広島東洋カープ戦 広島の野村謙二郎監督は先発の指名打者に投手の今村猛を偵察要員として起用してしまい、メンバー表交換の際にオリックスの岡田彰布監督に指摘されて初めて気付いた。当然、上記ルールにより代打は認められないため、今村は2回表の第一打席に立ち、犠牲バントを成功させた。次の打席では石井琢朗が代打に出された。 先述のように先発出場した指名打者は、相手の先発投手が交代しない限り、1打席完了しなければ交代できない。しかしその選手が怪我等によって退場する場合は特例として代打が認められる。 2010年4月9日、千葉ロッテマリーンズ対埼玉西武ライオンズ戦 ロッテの指名打者として福浦和也が第1打席に入ったが、自打球で負傷退場。神戸拓光が代打に起用され、本塁打を打った。
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