拡散の拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 03:19 UTC 版)
「世界金融危機 (2007年-2010年)」の記事における「拡散の拡大」の解説
オバマ政権の危機対策では住宅ローンの債務者よりも金融機関が優先されたため、オバマ政権への不満が高まり2010年中間選挙で民主党は大敗した。右派と左派はともに政治と経済のシステムが不正に操作されていると考え、格差拡大に反対し、支配層やエリート層への批判を高めた。ニュースサイトのブライトバートをはじめとする保守系メディアはオバマ政権への攻撃を続け、反自由貿易・反移民・人種差別などのメッセージも含まれていた。2011年9月17日には、ウォール街でデモを起こす呼びかけがFacebookで拡散され、ウォール街を占拠せよと呼ばれる抗議活動の始まりとなった。マンハッタンのズコッティ公園には2000人が集まってソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)で活動の様子が拡散された。10月には全米各地で100以上の占拠活動やデモが起き、世界各地に影響を与えた。 オバマ政権は第1期で危機の対策に追われ、第2期から格差の問題に取り組んだが、中間選挙後に共和党が下院の多数派となった点も影響して進まなかった。ティーパーティー運動を支持する共和党議員はオバマ不支持を強硬化させ、2013年には政府予算をめぐる対立で歳出強制削減措置が発動され、連邦政府機関が休止状態となった。連邦政府の閉鎖を見た共和党の穏健派議員や、共和党を支持する全米商工会議所(英語版)などの実業界は強硬派に反対し、共和党内の対立が深まった。民主党支持者も分裂し、より急進的なエリザベス・ウォーレンやバーニー・サンダースの支持者が増えていった。
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