拡大変更
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 09:35 UTC 版)
不動産などの共有持分に抵当権設定登記がされた後、当該共有者が他の共有者の持分を取得した場合、当該持分に抵当権の効力の及ぶ範囲を拡大することができる。この登記は実質は追加設定ではあるが、変更登記で行う(1953年(昭和28年)4月6日民甲556号回答)。登記申請情報の記載の例は以下のとおりである。 登記の目的(不動産登記令3条5号)は、「登記の目的 1番抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更」(記録例408)や「登記の目的 1番抵当権の効力をA持分全部に及ぼす変更」のように記載する。 登記原因及びその日付(不動産登記令3条6号)は、実質は追加設定である(1956年(昭和31年)4月9日民甲758号通達)ので、「原因 平成何年何月何日金銭消費貸借平成何年何月何日設定のように記載する(記録例408)。 記載の意味については抵当権設定登記#登記原因及びその日付を参照。なお、既存の抵当権の登記原因及びその日付と同一でなければならない。 登記申請人(不動産登記令3条1号)は、実質は追加設定であるので、範囲が拡大される抵当権者を登記権利者、抵当権設定者(拡大される抵当権の対象となる不動産の所有権などの登記名義人)を登記義務者として記載する。なお、法人が申請人となる場合の代表者の氏名等の記載に関する論点は登記事項の変更の場合と同じである。 添付情報(不動産登記規則34条1項6号、一部)は、登記事項の変更の場合の添付情報と同じである。実質は追加設定であるが、登記証明書(登録免許税法施行規則11条、具体的には登記事項証明書である)を添付する必要はない。 登録免許税(不動産登記規則189条1項前段)は、不動産1個につき1,500円を納付する(登録免許税法13条2項)。なお、「登録免許税 金1,500円(登録免許税法第13条第2項)」のように減税の根拠となる条文を記載しなければならない(不動産登記規則189条3項)。 この登記の登記記録の例は以下のとおりである(持分全部への拡大変更の場合)。
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