投げ方と落下の原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 10:53 UTC 版)
「フォークボール」の記事における「投げ方と落下の原理」の解説
一般的には、ツーシームの握りで人差し指と中指の間にボールを深く挟み、手首の関節を固定しリリースする。この指で挟む握り方がフォークに似ていることから名付けられた。親指はボールの下や人差指の横へ添える。この投げ方によりボールのバックスピンが直球より減少しマグヌス効果が小さくなり、ボールは重力に引っ張られ放物線に近い軌道を描く。直球に似せた投法で投げることが容易であり、手首や腕の振りが直球と同じかつ、その軌道から打者の近くで急激に落下するため打者には直球との判別が難しく、変化も大きいことから空振りを奪うために使われる。一般的にはボールの回転をできる限りなくすために人差し指と中指は縫い目にかけずに握るが、意図的に縦回転または横回転をかける場合もある。 2021年3月23日、東京工業大学・九州大学・慶應義塾大学の共同研究チームは、スーパーコンピュータTSUBAME3.0を使用して数値シミュレーションを行い、フォークボールの落ちる原理が低速回転のツーシーム回転のボールに働く負のマグヌス効果にあることを初めて解明したと発表した。 その特徴的な握り方と変化の大きさから暴投や捕逸を起こしやすく、日本球界を代表するフォークの使い手であった村田兆治は日本プロ野球歴代最多の通算148暴投を記録している。また、握力が不十分でボールが意図に反してすっぽ抜けると痛打されやすい。また、岡島秀樹など抜けることを逆手に取って「フォークの握りのチェンジアップ」を持ち球としている投手もおり、チェンジアップのバリエーションのひとつとしてフォークに近い握りで投げるスプリットチェンジという球種がある。 サイドスローやアンダースローの投手がフォークボールを投げることは珍しく、落ちる変化球として投法と相性の良いシンカー・スクリューボールや投法を問わないチェンジアップを選択する傾向にある。野茂英雄はオリックス・バファローズの秋季キャンプの臨時投手コーチに招かれた際にサイドスローによるフォークボールを披露し、選手を驚かせている。
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