手当、手技
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 10:12 UTC 版)
医療と手とは、古くから密接な関係がある。もともと、癒やす人(ヒーラー、医療者 等)が、病んでいる人の患部などに手を当てることは、医療の原点であった。ここから日本語の「手当て(てあて)」という表現が生まれた。 病む人に、いたわる心を込めて自らの手でやさしく触れることは、現代でも医療やケアの原点や基本としての意味を持っている。また病む人に手で触れることの効果は単なる風習や迷信などに留まるものではなく、手で触れられていることによる安心感が病む人や傷ついた人の内に良い心理的効果を生み病状を快方に向かわせる効果があることは、近年の医学的で実証的な研究でも明らかにされている。 また、現代でも、医療全般に(例えば通常医療のリハビリテーションの場でも代替医療の場でも広く)手によるマッサージは行われており、血行をうながしたり、滞留したリンパ液等の移動を促すことで、治癒を促す効果がある、自然治癒力を高める効果が期待できるとされている。様々な機器が登場した現代でも、機械よりも人間の本物の手で触れてもらうほうを好む患者は多い。医療者自身の手による技は「手技(しゅぎ)」という。また、手によるマッサージは医療者などの業者にしてもらうだけでなく、自分自身で行うこともでき、「セルフマッサージ」という。セルフマッサージは(無料であるため、金銭的な統計には現れにくいが、実際には家庭内で非常に広く行われており)セルフメディケーションとしても、また健康法としても広く行われている。自分で自分の指先あたりを揉む《爪揉み》は非常に手軽な健康法であり、それを勧めている医師もいる。また、特に誰から教えてもらわなくても、人は身体に不調な部分があると本能的にそこを手でさすったりする。 医療で手が重要な役割を果たしている一例として、応急処置としての止血も挙げられよう。患部に布などを当てがって掌で押さえつける圧迫止血法が、負傷時における治療の第一歩である。これは、やり方さえ理解していれば一般人であっても可能で、優れて有効的かつ実質的な応急処置手段である(詳しくは止血のページを参照のこと)。
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