感染症対策への取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 14:40 UTC 版)
「リチャード・ホルブルック」の記事における「感染症対策への取り組み」の解説
ホルブルックのアフリカ問題への取り組みは、紛争問題のみならずHIV・エイズや結核、マラリアなどの感染症対策にも及んだ。2000年1月の、アメリカが安保理議長国となった機会を利用して行った6回の連続審議では、国連安保理の歴史上初めてアフリカにおけるエイズ問題に関する審議を行った。このように、安保理で保健衛生問題をテーマにした審議が行われたのは史上初めてのことであった。この審議では、当時のゴア副大統領が議長を務め、最終的に「エイズは全ての国家にとって安全保障上の脅威である」とする宣言が採択された。 また、彼は国連大使を離任した後も感染症対策に引き続き取り組んだ。大使離任から1年後には、経済界の支援を動員したエイズ対策を目的とするNGOの運営を引き継ぎ、代表に就任した。ホルブルックが運営を引き継いだ当初、このNGOはおよそ17の参加者を要する小さな組織でほぼ活動停止状態にあったが、彼はその後組織の発展・改編に取り組み、このNGOを225以上の参加者を要する(2008年現在)世界規模の組織へと成長させた。 現在この組織は、エイズのみならず結核やマラリアといった、いわゆる「3大感染症」全てに活動対象を拡大しており、「エイズ・結核・マラリアに関する世界経済界連合(Global Business Coalition on HIV/AIDS, Tuberculosis and Malaria <略称:GBC>)」という組織名で現在も活動している。GBCは、主に2002年に設立された世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対する経済界からの支援を募ることを活動内容としており、現在では3大感染症撲滅を目指す活動の中でも中心的な役割を担っているとされる。GBCには、コカ・コーラやタイム・ワーナー、ダイムラー・クライスラー、リーバイ・ストラウス、ユニリーバ、スタンダード・チャータード銀行など、アメリカをはじめとする世界各国の大手企業も参加者に名を連ねている。
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