感染型食中毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:47 UTC 版)
ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)は貝類自体には感染しないと考えられている。すなわち、貝の体内でウイルスが増殖することはない。しかしこれらの貝では消化器官、特に食物の細胞内消化を行う中腸腺に海水中から濾過摂食されたウイルスが生物濃縮によって蓄積することが知られており、このことが魚介類由来の食中毒の原因だと考えられている。 詳細は「#魚介類の汚染源」を参照 しかし、ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)感染症の原因食材がカキと特定される割合は年々低下しており、2006年後半にはカキが食材と特定された集団食中毒は発生しなかった。疫学的な知見からは、カキ以外の食材、たとえば最近では韓国産の漬物(キムチ)の一部、あるいは直接・間接的なウイルスへの接触による、原因の特定しづらい感染経路が圧倒的であると考えられる。また、二枚貝にウイルスが蓄積するという知識が浸透し、食用生ガキの流通経路においてその対策もとられつつあることがカキを原因とする食中毒の減少にもつながっていると考えられる。2011年5月に千葉県で生シラスが原因と考えられる集団食中毒事例が報告されたが、ウイルスがシラスの体内、体表のどちらを汚染していたのかは判明していない。
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