加熱調理と不活化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 13:54 UTC 版)
加熱により細菌本体は不活化できるものの、芽胞や細菌由来の生産物は無毒化されない場合もある。例えば食中毒のうち、病原性大腸菌などによる感染によって食中毒を起こす種類のもの(感染型食中毒)の害は加熱調理によって予防されるが、ボツリヌス菌などによる毒素型食中毒では加熱調理によっても毒素が残り食中毒を起こす。芽胞は通常の調理の際の加熱条件では不活化出来ず、食中毒を起こす。 またプリオンによる感染症 (BSE) では、異常プリオン蛋白を含む食肉を煮たり焼いたり1気圧で蒸したりする程度ではプリオンの状態は変化しないため、通常の食肉調理法では影響を受けると考えられている(→BSE問題)。なお異常プリオン蛋白を不活化する方法としてはオートクレーブで高圧滅菌処理並みの扱いをすることが示されている。これは一般に言うところの加熱調理とは全く別の扱いであり、たとえ一般の圧力鍋を用いた調理(およそ2気圧、120℃)でも充分とはいえない。
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