加熱調理の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 19:52 UTC 版)
電磁調理器では、原理上、容易に出力(火力)を制御することができる。このため、概要にて上述したように、電磁調理器では、安定した加熱管理制御が容易に行える。とろ火から、素早く湯沸かしできるハイパワーまで、出力制御の幅は広い。 電磁調理器では、加熱が調理器具の底部のみで行なわれるため、調理器具の底部以外の部分が余り熱くならない。このため、鍋等の持ち手も熱くなりにくい。その反面、鍋釜等をガラストップ(コイル)から遠ざけてしまうと、誘導加熱および鍋釜等の温度検出ができず加熱を停止させてしまう機種が多い。このため、ガス器具と比べてあおり調理(チャーハンなど)に向かない。持ち上げると加熱されない事と、ガラストップは衝撃で割れる可能性があるためである。なお、ガラストップは磨耗には強いので、フライパン等を乗せたまま水平に振るよう推奨されている。さらに、調理器具(鍋等)の自己発熱による加熱であり、加熱される領域が調理器具の底板部に輪状(ドーナツ状)に形成され、場所による加熱のムラが生じやすい。このため、フライパンなど、伝導による熱の伝達を利用する器具を用いる場合には、調理ムラが生じやすい。また、フライパンなどでは部分的な過熱による底板の変形が生じやすい。 電磁調理器では、ガスコンロやコイル型の電気コンロのようにスルメや海苔をあぶることができない。もっとも、ガスコンロにおいても鍋検知機能が搭載された機種では鍋検知機能を解除しなくては同様の調理が不可能なものもある。同様に、電磁調理器は、餅や干物などの焼き目調理に向かない(ないしは専門の器具が別途必要になる)。また、電磁調理器では、ガスコンロの様に排気熱を利用して鍋全体を包み込むような加熱はできない。ただし、熱伝導率の高い鍋を使えば一般的な家庭用ガスコンロとの比較で排気熱の影響は出ない。
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