魚介類の汚染源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:47 UTC 版)
日本では、カキ(牡蠣)など魚介類の汚染源は下水道の処理水に由来していると考えられる。それは、感染性胃腸炎の流行時期(主に冬期)に、下水処理場(下水道)や海に流入するウイルスの数が増加し、下水処理システムでは処理水中のウイルスの無力化(不活化)を目的とした処理がされていない為である。従って、結果的に下水処理場で処理しきれなかったウイルスは海や上水道の取水施設に流入する。なお、上水道用水の浄化方法として多く用いられている急速濾過と塩素消毒を組み合わせた方法では大腸菌やウエルシュ菌などの病原性細菌の除去は出来るが、クリプトスポリジウム原虫や、ノロウイルス等の塩素耐性の強いウイルスは、除去出来ていない。 一方、下水汚泥や糞尿の海洋投入(海洋投棄)が行われている場合、水域全体がウイルスにより汚染されている場合がある。2012年6月にはアメリカ食品医薬品局(FDA)が大韓民国(韓国)からのカキ、二枚貝、ムール貝の衛生基準が不十分であるとして市場からの回収要請を出している。日本国内でも、昭和40年代まで主に瀬戸内海に於いて、畜舎排水、し尿の海洋投棄が一般的であった。
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