感染呪術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/13 15:38 UTC 版)
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感染呪術 (かんせんじゅじゅつ、英: contagious magic)とは、文化人類学者のジェームズ・フレイザーが定義した、人類学における呪術の性質を表す言葉である[1]。感染魔術とも。
ジェームス・フレイザーは初期魔術の典型である「共感呪術」の一種として、一度接触したものあるいは一つのものであったもの同士は、遠隔地においても相互に作用するという「接触の法則」を提唱している。感染呪術ではその法則に基づき、ある個人に対してその着衣や、爪、髪の毛、歯などを呪術に用いることで、その元の持ち主に影響を与えられるか、影響を受けることができると考えられている[1]。
ジェームス・フレイザーは類似するものは影響を与えあうとする類感呪術(例えば、人に対し、人形等を使用して呪術をかける)とともに、感染呪術を人類初期の呪術としており、それらの「共感性」を原理とする呪術をまとめて「共感呪術」と提唱している[1]。
感染呪術の例
ジェームス・フレイザーは金枝篇において、殺した相手の頭皮を被ることでその力を手に入れたとする北米先住民のミナターレ族の例を紹介している。
日本における例としては体の弱い子の病を払うため、健康な近隣の子供たちにあやかり、その不要となった衣服の切れ端をもらって継ぎ接ぎした服を着せる習慣がこの例とされている[2]。
またホメオパシーは現代における感染呪術の一例ととらえる考え方もあり、その科学的根拠に対して批判される一因になっている[3]。
脚注
- ^ a b c 草野巧, 福地貴子『図解 魔術の歴史』新紀元社、2015年3月5日。
- ^ コトバンク 世界大百科辞典
- ^ “「あらゆる病気・障害を治せる」としている代替医療・ホメオパシーとは?”. wezzy (株式会社サイゾー). (2019年3月17日) 2023年9月14日閲覧。
関連項目
感染呪術(英: contagious magic)
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「魔術」の記事における「感染呪術(英: contagious magic)」の解説
接触の原理に基づく呪術である。狩の獲物の足跡に槍を突き刺すと、その影響が獲物に及んで逃げ足が鈍るとするような行為や、日本での藁人形に釘を打ち込む呪術などがこれに含まれる。感染呪術には、類感呪術を含んだものも存在するとフレイザーは述べている。呪術を行使したい対象が接触していた物や、爪・髪の毛など身体の一部だった物に対し、類感呪術を施すような場合などである。
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