内容・評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 08:25 UTC 版)
本書にはヨーロッパのみならずアジア、アフリカ、アメリカなど世界各地で見られる様々な魔術・呪術、タブー、慣習など、フレイザーが史料や古典記録、あるいは口伝から収集した夥しい例が示されている。未開社会における精霊信仰、宗教的権威を持つ王が弱体化すればそれを殺し新たな王を戴く「王殺し」の風習や類感呪術、感染呪術などの信仰の神話的背景を探った民俗学・神話学・宗教学の基本書として高く評価される。 フレイザーの研究姿勢は書斎における文献調査による事例収集が中心であったため、実際に現地に入り混じって人類学などの研究に従事するフィールドワーク研究者からは、「書斎の学問」「安楽椅子の人類学」として批判を浴びている。また、未開社会と文明社会の間に序列を設けるような文化進化論的思考法も時代的制約とはいえ批判の対象となっている。しかしながら、古代信仰・呪術に関するこれだけの膨大な事例を広く蒐集・総合した例は他にほとんど絶無であり、それだけでも非常に高い資料的価値を持つ。
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