生態と病原性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/08 14:22 UTC 版)
ビブリオ属細菌は、自然界では水中に多く生息する環境中の常在細菌である。耐塩性や好塩性の菌種が多いため、淡水のみならず、海水や汽水中などによく見られる。多くのものは水中で、あるいは魚類などの水生生物の体表面や体内に感染し、またあるものは環境中でバイオフィルムを形成し、そこを生活の場として繁殖する。なかにはコレラ菌のように、動物(ヒト)に経口的に感染し、その腸管内で大量に増殖した後、宿主の排泄物に混じって再び水中に戻ってくるものもある。 一部のビブリオ属菌は、ヒトに対する病原性を持っている。飲み水や菌の付着した魚介類を介して経口的に感染する原因になるもののほか、汚染した水に浸かったときに傷口から感染(創傷感染)するものも存在する。ビブリオ属菌の感染症には、コレラや感染性胃腸炎(感染型食中毒)などの消化器感染症が多くみられるが、菌種によっては感染後に血中に移行して敗血症の原因になるものや、創傷感染による患部壊死を起こすものなども存在する。
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