生態と生活環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 10:09 UTC 版)
現生の有孔虫は基本的に海産だが、汽水でも生存可能である。レマン湖(Lake Geneva)などには淡水種も数種あり、多雨林の湿った土壌で生活している種さえある。海では浅い海底の、海藻の根本などに付着して生活しており、例えば沖縄土産で有名な星の砂は有孔虫の一種ホシズナ(Baculogypsina sphaerulata)の殻であるが、そのような場所を探せば生きたものを見つけることができる。(ちなみに「太陽の砂」とも呼ばれる、突起の先端が丸みを帯びた星砂は Calcarina 属の有孔虫である。)さらに深海堆積物表層にも有孔虫が多数生息していることがわかっている。この様な、海底に暮らすものを底生有孔虫(Benthic foraminifera)といい、現生のほとんどの有孔虫が相当する。これに対して、プランクトンとして生活している現生種は約40種ある。それらを浮遊性有孔虫(Planctonic foraminifera)といい、代表的なものにタマウキガイ(Globigerina)がある。 有孔虫の生活環には単相と複相の世代交代があるが、両世代の外形はよく似ている。単相のガモントは単核で、細胞分裂して通常は鞭毛を2本持つ配偶子を多数つくる。鞭毛を持たないアメーバ状の配偶子を生じる種もある。複相のシゾントは多核体で、減数分裂したあとは分裂して新しいガモントを作る。生殖世代の間に複数回の無性生殖を行うことも珍しくない。
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