恒温性と成長速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 10:18 UTC 版)
現生動物において比較するかぎり、体温の恒常性の有無と成長速度、あるいは急速な成長期の有無には関連性は特に認められない[独自研究?]。例えば、典型的な恒温動物であるヒトは誕生してから15年で体長で4倍・体重で20倍程度に成長するに過ぎないが、典型的な変温動物であるカイコは30日で体長で30倍・体重で5000倍にも成長する。同じく変温動物であるニホンカナヘビでは1年で体重で20倍程度、人間と同程度の成体体重の陸上脊椎動物であるアミメニシキヘビ(15歳程度)の誕生時体重は100g程度(つまり5〜600倍)であり、ワニの成長速度はこれよりも速い。 また、完全変態昆虫の多くは幼虫期は非常に急速に成長し、成虫はほとんど成長しない。つまり成長期が存在する。しかも、スズメガを見ればわかるようにほとんど成長しない成虫は恒温性であっても急速な成長をする幼虫期は通常典型的な変温動物である。四肢動物でも同様で、典型的な変温動物であるアマガエルやアベコベガエルは幼体であるオタマジャクシは急速に成長するが、上陸後のカエルの体重増加は非常に緩やかである。ニホンカナヘビでも最初の一年は体重が急速に増加するがその後(5〜6年の寿命がある)の体重増加は緩やかである[独自研究?]。 これらは決して特殊な例外ではない。逆の例(恒温・内温動物の方が成長が早い・成長期がある)を例示することも極めて容易である(上の例を、ヒト→ゾウガメ、カイコ→カンガルーやミツバチ、ニホンカナヘビ→ウサギ、アミメニシキヘビ→ウシ、ワニ→ライオンなどとし、倍率なども適宜動かせばよい)。つまり、化石生物などで個体の成長速度が速いことや、急速な成長期があることが類推できる形質が認められても、恒温動物であろう、もしくは逆に変温動物であろうという推定は成立しない。むしろ、恒温変温にかかわらずr戦略傾向を強く持つ種では成長速度が速く(ハツカネズミ、ネコやニホントカゲでは誕生4週で3倍程度)、K戦略傾向を強く持つ種の成長速度は遅い(ヒト、ウシやムカシトカゲでは誕生1年で3倍程度)[独自研究?]。
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