後ブレーキの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/05 04:47 UTC 版)
後ブレーキは大まかに以下の種類に分けられる。 バンドブレーキ サーボブレーキ ダイネックスブレーキ ローラーブレーキ メタルリンクブレーキ バンドブレーキは最も価格が安く、革や樹脂等を練り固めたライニングが貼り付けられたバンドを用いて、ハブ同軸の金属ドラムを締め付けて停止する方式である。構造も単純なために廉価な軽快車と寸法上の理由のため子供車に採用されている。しかしながら、ある程度使用すると磨耗しブレーキ鳴きが起きるので、一定の期間ごとに交換が必要である。 サーボブレーキは、唐沢製作所の開発したブレーキであり、外観はバンドブレーキとよく似ているが、内部構造は大きく異なり、ユニサーボ式のドラムブレーキとなっている。バンドブレーキに比べて圧倒的に音鳴りしにくい。 ダイネックスブレーキはブリヂストンの開発したブレーキであり、バンドブレーキがドラムの外側からバンドを締め付けるのに対して、ドラムの内側からライニングを押し付ける。ブレーキの調整はやや困難だが、堅牢さに優れ、音鳴りもしにくい。 上記3種は、車輪への取り付け部分が共通の規格となっており、互換性がある。いずれも、前進方向には軽い力で大きな摩擦力を発生させる自己倍力作用を持つが、後退方向では低い摩擦力しか得られず、急な上り坂での停止では、ずり下がりの恐れもある。 ローラーブレーキはシマノの開発したブレーキで、音鳴りしないうえに、雨天時でも摩擦力が低下せず、後退方向にも前進時と同じ摩擦力が得られるのが特徴的なブレーキである。構造も複雑で価格も比較的高いが、現在は多くの軽快車に採用されている。一定の期間ごとに指定のグリースを注入してメンテナンスを行う。取り付け部分がシマノ社の独自規格となっており、同社製のハブを持つ車輪としか組み合わせることができないが、取り外しに特殊な工具は必要無く、ブレーキシステムがユニット化されているため、交換は比較的容易である。 メタルリンクブレーキはヨシガイの開発したブレーキであり、ドラムに外側から金属板を押しつける。原理はバンドブレーキに、性能はローラーブレーキに似る。外観からは、グリスに溜まった熱を逃がす大型の放熱板が目立つ。バンドブレーキ、サーボブレーキとは取り付け部分に互換性を持ち、構造上音鳴りはしにくい。
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