影響を指摘する調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:29 UTC 版)
一方でメンタルヘルスへの影響を指摘する研究結果も世界に多数ある。アメリカ合衆国とフィンランドにおける調査によると、中絶した女性は心に問題を起こし、また中絶後に自殺率が増加するという調査結果がでている。主な精神的反応としては、罪悪感、羞恥心、不安感、無力感、深い悲しみや良心の呵責、泣くことを自制できない、怒り、苦々しい思い、恨みの念、不信感や裏切り感、自尊心の低下、赤ん坊や小さな子どもに関連する物事を避ける、中絶経験のフラッシュバック、悪夢にうなされる、睡眠が不規則になる、憂うつ感、性的機能不全、食生活の乱れ自虐的行為、人間関係の破綻、自殺を考える、または自殺しようとする傾向などがある。特に10代の場合は影響が大きくなり、自己非難、うつ、社会逃避、引きこもりなどの行動に走ることがある。中絶した女性の手術後8週目の調査によると多くが罪の意識を表し、44%が精神異常を訴え、36%が不眠症にかかっており、31%が中絶した事を後悔し、11%が主治医から向精神薬を処方されている。カナダの2つの州における調査では、中絶を経験した女性の25%は精神科医に足を運んでおり、そうでない女性は3%だった。また毎年中絶した日や、迎える事のなかった出産予定日が巡ってくる事によって突発的に精神的な危機が起こることがある。また堕ろさないと別れるといった様な脅しを受け、異性を引き留めておきたいからという理由で中絶する場合があるが、この場合、多くが中絶をしたことにより結局関係が破綻するという研究もある。男性にも精神的な影響があり、人間関係の破綻、性的機能不全、自己嫌悪、危険な行動、時を越えて増す悲しみ、無力感に罪悪感、憂うつ感、怒りやすく暴力的になりやすいという傾向などがある。
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