当人の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/15 14:49 UTC 版)
「フロイド・ランディス」の記事における「当人の問題」の解説
圧倒的な強さで勝利した2006年ツール・ド・フランス第17ステージの後のドーピング検査で陽性反応となる。複数の検体が陽性となった結果、ランディスの優勝は保留とされ、後に剥奪された。ランディス本人は自身を陥れようとする陰謀であると主張していたが、現在では、当時ドーピングを行っていたことを認めている。 ランディスの検体が示したのは、テストステロンの値が異常であるという結果であった。ランディス側は当初これを「体質と股関節治療の薬物によるもの」と主張していた。ツール・ド・フランス2006におけるランディスの4回のドーピング検査のうち、テストステロンの値が異常だったのは第17ステージの1回のみであったが、検体から検出されたテストステロンは同位体の比率から体外で人工的に合成されたものであることが判明している。テストステロンは継続的に使用し続けることで筋力が増強する薬物であるが、一時的な使用であってもこれらステロイドホルモン類には生体のエネルギー利用を促進する作用があり、気分の高揚、疲労の回復、水分の保持、炎症の抑制による痛みの軽減、といった効果がある。ランディスは自身のドーピングを認めた後のインタビューで「前年(05年)はレースの期間中ずっとテストステロンをやっていたが、陽性にはならなかった」「(06年は)ツールの準備にテストステロンを使ったが、レース期間中に行っていたドーピングは自己血輸血と成長ホルモンだった」「当時はテストステロンは使用していなかったため、検査結果はおかしい」と主張している。 2010年2月15日、2006年にフランスの反ドーピング研究所のコンピュータにハッキング行為を行った容疑で国際指名手配されていることが明らかになった。2011年11月10日、ランディスはフランスの裁判所から執行猶予付き禁錮刑1年を言い渡された。これはランディスの元マネージャーら、不正侵入に関与した全員に対するものであり、総額7万5,000ユーロ(約790万円)の損害賠償支払いも命じられた。
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