広義の「不確定性」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 03:06 UTC 版)
「不確定性の音楽」の記事における「広義の「不確定性」」の解説
上記の事柄は現代音楽の文脈で言う「不確定性の音楽」であり、通常の用語法ではこれを指していることがほとんどである。ただし、「不確定性」という語を非常に広く捉えた場合は、以下のような事柄に焦点が当てられる場合もある。 演奏において 人間によって解釈される生の音楽においては、全く同じ演奏は決して存在しない。 また、古典的な意味での即興演奏は不確定性の音楽の一種ということができる。 特殊奏法による音響学的な意味合いにおいて ヴァイオリンで駒の後ろで弾く奏法は確かに音の高さは確認できるが、奏者はどの音を出すかを自分で制御する事が出来ない。 オーボエの重音はかなりの確率で可能だが、楽器の構造、リードの削り方の形や材質、奏者の口や顎の形、奏者の調子など複雑な要因があるため、毎回同一の音の組み合わせを出すようにコントロールする事は事実上不可能である。 演奏会場の状態などによる音響学的な意味合いにおいて 室内音響などによる不確定性が存在する。ホールの材質、残響・ハルの長さ、湿度、温度、気圧などにより音響は微妙に変わる。また聴取位置によって、奏者からの距離や向きが異なるため、音質が変化する。聴衆の出す雑音の問題も存在する。 記録-再生において CD・テープなどの記録媒体を再生しても再生装置の構造や音響的な環境によって完全に同じ再生結果にはならない。これは、テープ作品(電子音楽など)やコンピュータのリアルタイム処理を利用した作品の演奏(再生)では大きな問題である。
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