広義の「大回り乗車」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:27 UTC 版)
「大都市近郊区間 (JR)」の記事における「広義の「大回り乗車」」の解説
広義の意味としては、大都市近郊区間における旅規第157条第2項の規則に基づく「選択乗車」のことである。ただし、「大回り乗車」という言葉自体がこちらの意味で使われることは少なく、よく使われる意味としては後述の狭義のほうである。 前述通り、券面経路(運賃計算経路)よりも選択乗車経路(実乗車経路)のほうが長い場合と、逆に券面経路よりも選択乗車経路のほうが短い場合があり、前者を「大回り乗車」、後者を「小回り乗車」と呼ぶことができる。しかし、大都市近郊区間相互間の乗車券は最安運賃経路で発券されるのが一般的であり、それはほとんどの場合最短経路と一致するため、現実の事例で「小回り乗車」が発生する場合は非常に少なく、旅規第157条第2項の規則に基づく「選択乗車」といえば、ほとんどが「大回り乗車」ということになる。また「大回り乗車」の場合であっても、券面経路と選択乗車経路との差が微差と呼べるほどのものである場合は「大回り」という呼び方自体がふさわしくないとも言え、かつ事実上広義の「大回り乗車」の大半がこのケースにあたるため、広義の意味での呼び名が一般的とは言えない理由でもある。 以下に、「大回り乗車」としての具体的事例を示す。ただし、券面区間と選択乗車区間に小さくない距離差があり、かつ「大回り」をすることに意義があると考えられるものとする。 「大回り」する方が目的地に早着する これは単純に所要時間の問題だけでなく、券面経路を通る列車を待って乗車するよりも先発する別経路の列車に乗車し「大回り」をする方が目的地に早着する場合も含む。 例:高崎駅から八王子駅まで乗車する場合の最短・最安経路は八高線経由(96.4km)で運賃は1980円であるが、武蔵野線経由(122.6kmないし124.9km)や湘南新宿ライン・新宿駅経由(145.0km)といった経路のほうが高頻度で運行されており、八高線経由の列車を待つより、このような「大回り」をする方が先着できる場合も多い。 「大回り」することによる利便性がある 例:新小平駅から新木場駅まで乗車する場合の最短・最安経路は西国分寺駅・中央本線・東京駅経由(43.7km)で運賃は730円であり運行頻度も決して少なくない。ただし、少なくとも2度の乗り換えが必要になる経路であることから、乗り換えなく行き着ける武蔵野線・西船橋駅経由(81.1km)の経路は所要時間で劣る場合も多いものの、乗り換えの手間がないという利点によりこの経路で「大回り」する意味がある。
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