広域航法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 04:36 UTC 版)
交通量の増加に備えて開発された新しい航法システム。 地上航行援助施設からの信号の有効空域内、あるいは自蔵航法装置の機能範囲内で、任意の希望するコースを設定することができる。 常に航空機の現在位置が直読式に得られる。この航法を採用することにより、空域内に任意の航路を設定できるので、その空域の許容交通量を増大させることが可能となる。 システムとしては,次のような方法がある。 VORおよびDME(距離測定装置)と機上のコンピューターにより希望コース、現在位置を算出するもの。 INS(慣性航法装置)により希望コース、現在位置を得るもの。 INSをVOR・DMEの組み合わせ、2組のDMEあるいはGPSによって修正して、正確な希望コース・現在位置を得るもの。 エリア・ナビゲーションの希望コースは、ウェイポイント(waypoint)と呼ばれる地図上の特定な点を結ぶことによって定められる。ウェイポイントは座標によって表され、座標系の中で任意の位置に定めることができる。座標系のとり方は、通常VOR・DME局からの距離と磁方位による座標、あるいは緯度・経度による座標が用いられている。 さらに、ウェイポイントに高度の要素を加え、希望コースを三次元空間内のコースとして設定することができる(これを三次元のエリア・ナビゲーションという)。PMS(performance management system)またはFMS(flight management system)を装備した航空機ではこの三次元のエリア・ナビゲーションが可能である。また、三次元のウェイポイントに時間の要素を加え、各ウェイポイントの通過時刻を指定したコースを設定することもできる(これを四次元のエリア・ナビゲーションという)。また、ウェイポイント間を結ぶコースだけでなく、そのコースから右または左に平行移動したコースを定めることも可能である。 このシステムの主な構成要素は、航法用計算機・制御表示装置・飛行データ記憶装置である。航法用計算機は、航法上必要なデータを計算してコントロールパネルに表示させるほか、希望コースを飛行するため自動操縦装置へ操舵信号を送る機能を持つ。
※この「広域航法」の解説は、「航空航法」の解説の一部です。
「広域航法」を含む「航空航法」の記事については、「航空航法」の概要を参照ください。
広域航法と同じ種類の言葉
Weblioに収録されているすべての辞書から広域航法を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 広域航法のページへのリンク