平和的解決への模索
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 04:50 UTC 版)
「国際司法裁判所」も参照 竹島領有権問題に関して、これまで日本政府は4度、国際司法裁判所 (ICJ) への付託を韓国側に提案してきたが、いずれも韓国は拒否し続けている。 日本政府は1954年9月25日に韓国に対し ICJ への付託を提案したが、韓国は拒否。 1962年3月に行われた日韓外相会談の際にも、小坂善太郎 外務大臣が ICJ 付託を提案したが、韓国は拒否した。 1962年11月に訪日した金鍾泌中央情報部長に対して、大平正芳外相が竹島問題を ICJ に委ねることを提案したが、これも韓国側から拒否された。 (この時までの韓国は国連に加盟していなかったが、加盟していない国でも国際司法裁判所に付託することは可能であった。) 2012年8月21日、韓国の李明博大統領が竹島に上陸したことから、日本はこれに反発して韓国に対し ICJ に合意付託すること及び日韓紛争解決交換公文に基づく調停を行う提案をしたが、同月30日、韓国政府より応じない旨を口上書で日本政府に回答した。 国際司法裁判所(ICJ)への付託は、義務的管轄権がない紛争の当事国が拒否すれば裁判を行うことができない。韓国はこの義務的管轄権を受諾しておらず、韓国政府が付託に同意しない限り竹島領有権紛争を ICJ で解決することはできない。しかし、裁判の手続きはできなくとも付託は当事国の一方のみでも可能であることから、この問題を世界に提起する意味で日本だけでも付託すべきだという考えもある。(現在まで日本は付託を一度も行っていない) これまでに領土問題を ICJ で解決した事例は世界で16件に上るため、日本政府は韓国に対し竹島の一方的な占拠をやめてICJによる平和的解決をするよう要望している(国際司法裁判所で解決した領土紛争を参照)。 日本による国際司法裁判所への最初の付託提案を、韓国側は1954年10月28日の公文で、以下のようにと述べている。 紛争を国際司法裁判所に付託するという日本政府の提案は、司法的な仮装で虚偽の主張をするまた一つの企てに過ぎない。韓国は、独島に対して始めから領土権を持っており、この権利に対する確認を国際司法裁判所に求めなければならない理由は認められない。いかなる紛争もありえないのに擬似領土紛争を作り上げるのは、まさに日本である。 しかしながら、紛争の存否は、客観的判定または当事者間の合意によって決定されるのであり、紛争当事国の一方が「存在しない」と言えば紛争が無くなるわけではない。ICJ 判決でも国際領土紛争の存否は客観的に判断されるべきことが確認されている。
※この「平和的解決への模索」の解説は、「竹島問題」の解説の一部です。
「平和的解決への模索」を含む「竹島問題」の記事については、「竹島問題」の概要を参照ください。
- 平和的解決への模索のページへのリンク