市民的自由の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/04 02:42 UTC 版)
「PROTECT IP Act」の記事における「市民的自由の問題」の解説
憲法修正第1条研究の専門家であるハーバード・ロー・スクール教授ローレンス・トライブ(英語版)と弁護士マーヴィン・アモーリ(英語版)は、法案がターゲットにしているのは海外の不正サイトだけではなく、「単に侵害を‘助長’したり‘可能に’したりした国内のサイト」にまで拡大して適用されうるとして、「したがって、法案の文言によると、YouTubeやTwitter、Facbookなど合法的なサイトにおける非常に多くの言論が法の対象ということになる」と、PIPA法案が言論の自由に与える影響についての懸念を提起した。またアモーリはPIPA・SOPA両法案は「狙いを外し、著作権侵害していない言論を沈黙させてしまう結果になるだろう」と述べている。 電子フロンティア財団のアビゲイル・フィリップス(Abigail Phillips)も、どういった要件で著作権侵害サイトと特定されるのかが不明確であるとして法案を批判している。例えば、もしウィキリークスが著作権で保護されたコンテンツを配布したとして訴えられ、米国の検索エンジンがウィキリークスを示す検索結果を裁判所命令によってブロックしたとした場合、検索エンジンにウィキリークスそのものへのリンクをまるごと除去するよう要請する ことは、サイトに掲載されている合法的コンテンツに関する言論の自由の問題(ウィキリークスに掲載された合法的な他のコンテンツを閲覧する権利侵害の問題)が浮上することになる。 Google会長エリック・シュミットは、PIPA法案で求められている手法は複雑な問題をあまりにも簡単に解決しようとしていると指摘し、DNSエントリを削除するやり方は言論の自由の観点から問題があり、中国の様な、より寛容さに欠けるインターネット環境への一歩となりうると述べた。世界最大の検索エンジンを運営する企業の会長として、シュミットは「もしDNSにX(何か)をしろと要求する法案が上院・下院を通過し、大統領がそれに署名したとしても、私たちはその法案に同意せず闘い続ける」と述べている。 憲法学専門の弁護士フロイド・エイブラムスは「知的財産保護法案は言論やコミュニケーションの自由を強要したり禁じたりするものではない。…そのウェブサイトまたはドメインが、司法長官が行動を起こすのに適当かを決めるハードルは高く設定されている」と述べている。
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