市原ゴルフガーデン鉄柱無償撤去
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 04:13 UTC 版)
「藤村一人」の記事における「市原ゴルフガーデン鉄柱無償撤去」の解説
2019年(令和元年)9月9日令和元年房総半島台風(台風15号)の強風により、千葉県市原市五井のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」のネットを支える鉄柱13本が強風で倒れ、民家27軒が損壊した。この光景を映像でみた藤村は、「うちの技術なら助けられる」と、翌日には無償撤去の意向を市原市役所に伝えたが上手く伝達されなかった。9月18日、ゴルフ場オーナーの「撤去してくれる業者が見つからない」とのコメントを聞いた藤村は、再度市原市にコンタクトを取り、ようやく無償撤去の意向が伝わり、事態が進展することとなった。 補償が未定の状況での鉄柱無償撤去に難色を示した一部住民に対しても、一貫して住民に寄り添った。現場に4回足を運び、自ら説明を行い、補償の証拠に使えるよう住宅の写真や映像を提供することで、住民全員の合意を取り付け、約2カ月後の11月13日に鉄柱を全て取り除いた。 無償撤去の理由について、藤村は、株式会社フジムラが東京都都江戸川区と提携している防災協定(人命救助などで重機や人員を提供する協定)を挙げ、「有事に備えて、重機を常にストックしていますが、災害時の経験がない。将来のためにも、スタッフに実際の災害現場での経験を積ませる必要を、以前から感じていた。人員を投入できるタイミングであったことも、良かった」「人助けが一番の目的だが、災害復旧の本番を経験したかった」と語っている。また、ゴルフ練習場オーナーに対しては、鉄柱撤去の工費約4300万円について「浮いたお金を被災者の皆さんに分配してほしい」と伝えている。 11月13日、13本目となる最後の鉄柱の撤去が完了した。当初2カ月間だった工期を、工法変更により2週間に大幅に短縮した。藤村は「立派に対応できた。ほっとするとともに社員に感謝」と笑顔を見せた。 2020年(令和2年)2月17日、市原市は株式会社フジムラを表彰した。小出譲治市長から表彰状が入った盾を手渡された藤村一人は、「住民からの感謝の言葉がうれしかった」「被災住民のみなさんにも、ゴルフガーデンのオーナーにも幸せになっていただきたい」と語った。
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