山科宮とは? わかりやすく解説

人康親王

(山科宮 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/13 15:07 UTC 版)

人康親王
時代 平安時代初期 - 前期
生誕 天長8年(831年
薨去 貞観14年5月5日872年6月14日
別名 山科宮
官位 四品弾正尹
父母 父:仁明天皇、母:藤原沢子
兄弟 文徳天皇宗康親王光孝天皇人康親王源多本康親王源冷国康親王常康親王貞登成康親王源光源覚源効
源興基源興範源興扶藤原基経室、平惟範
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人康親王[1](さねやすしんのう)は、仁明天皇の第四皇子。光孝天皇の同母弟。官位四品弾正尹山科宮と号す。当道の祖神[2]

経歴

承和12年(845年元服。承和15年(848年四品に叙せられ、翌嘉祥2年(849年上総太守に任ぜられる。文徳朝では、仁寿2年(852年弾正尹に転任し、斉衡4年(857年常陸太守を兼ねた。

清和朝に入ると、貞観元年(859年)に病気を理由に出家して、法性と号した(最終官位は四品守弾正尹兼行常陸太守)。少年の頃より大乗道に帰依したいとの意志を持っていたという[3]。出家後は諸羽山の麓、現在の京都府京都市山科区四ノ宮に山荘を造営して隠棲し、山科宮と称した。この山荘はを走らせを造るなど趣深く造られていたという[4]。なお、四ノ宮の地名も親王が仁明天皇の第四皇子であった事に因むとする説がある。

貞観6年(864年)人康親王家が朝廷より借用していた、130疋・綿300屯・調布400端・3300貫文の返済がにより免除されている[5]。貞観14年(872年)5月5日薨去享年42。

当道の祖

当道において、親王は琵琶の名手で、隠棲理由の病気は両目を患った事を意味するとされる。江戸時代には座頭琵琶法師等の祖とされた。当時検校の位にある琵琶法師が毎年当地に集まり琵琶を演奏し親王の霊を慰めた。

史跡

人康親王宮内庁墓(北緯34度59分33秒 東経135度49分19.8秒 / 北緯34.99250度 東経135.822167度 / 34.99250; 135.822167 (人康親王宮内庁墓)

山科区四ノ宮には人康親王に纏わる史跡が残っている。柳山町の諸羽神社境内には、親王の山荘跡とされる場所があり、石碑が設けられている。泉水町の十禅寺の東北隅にはが、四宮地蔵の脇には「人康親王蝉丸供養塔」と書かれた石碑が建っている。

官歴

六国史』による。

系譜

尊卑分脈』による。

脚注

  1. ^ なお、仁康親王に作る場合があるが、これは「人康」を「ひとやす」と訓んだために起こった誤り(中山太郎『日本盲人史 正篇』、八木書店、1976年)
  2. ^ 人康親王(読み)さねやすしんのうコトバンク
  3. ^ 『日本三代実録』貞観元年5月7日条
  4. ^ 伊勢物語』78,山科の宮
  5. ^ 『日本三代実録』貞観6年11月7日条

参考文献

関連項目

外部リンク


山科宮(やましなのみや)

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応天の門」の記事における「山科宮(やましなのみや)」の解説

元はやんごとない身分だったが、出家し山科住んでいる。盲目のため、常人よりも聴覚が鋭い。琵琶名手

※この「山科宮(やましなのみや)」の解説は、「応天の門」の解説の一部です。
「山科宮(やましなのみや)」を含む「応天の門」の記事については、「応天の門」の概要を参照ください。

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