小児科医による内視鏡検査の普及
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 23:53 UTC 版)
「堀内朗」の記事における「小児科医による内視鏡検査の普及」の解説
小児科医を中心とした研修対象者全員が、上部消化管内視鏡検査では2週間で約100例を経験し、単独で検査を完遂可能になった。下部消化管内視鏡検査では、盲腸到達率は2週間で約70%以上、6週間で約95%以上、3ヶ月で内視鏡治療を実施できるレベルに到達した。消化管内視鏡検査のトレーニングに時間をあまり割けない研修医、医師においても実施可能な消化管内視鏡検査トレーニング法、駒ヶ根プログラムを確立した。医療側の内視鏡検査の敷居を下げる活動を積極的に実施してきた。 駒ヶ根プログラム 昭和伊南総合病院では、患者側だけでなく、医療側の内視鏡検査・治療の敷居を下げることを目標に活動してきたので時間的、経済的な負担の少ない研修システムを目指している。2006年からプロポフォールを全面使用して内視鏡検査・治療を実施してきたが、研修上、偶発症が極めて少ないことが大きな特徴である。下部内視鏡検査における腸管穿孔については、この10年間約3万件で1件のみであった。当センターで実施しているプロポフォールを使用する鎮静法(駒ヶ根プロポフォール鎮静法)では、消化管の緊張を十分に取ることができるために内視鏡研修が容易なだけでなく、安全に研修できる。 当センターは、常勤2名の指導医と非常勤2名の指導医の指導のもとに、駒ヶ根プログラムと称される短期内視鏡研修プログラムに基づいて内視鏡研修が行われている。まったく消化管内視鏡検査の経験がない初学者であっても上部消化管内視鏡検査は2週間で約100件研修できるカリキュラムになっており、少なくとも最終日には指導医の指導のもとに単独で検査ができるレベルに到達する。 上部消化管内視鏡検査100件施行後である3週目から6週間は上部消化管内視鏡検査に加えて、約100件の下部内視鏡検査の研修が加わる。そして、研修開始2ヶ月後には下部内視鏡検査のレベルは、盲腸到達率95%のレベルに達する。その後、1ヶ月間に消化管止血術と大腸ポリープ摘除術(コールドスネアポリペクトミーとEMR)を習得して、駒ヶ根プログラム3ヶ月コースは終了する。これまでに10名の医師が参加し、全員がカリキュラムを達成している。3ヶ月コースでない研修医は、その後、9ヶ月間は、これらの技術の精度向上や消化管ステント留置術、バルーン拡張術、胃瘻造設術の習得に努める。2年目は、ERCPの技術習得を中心に胆膵系の疾患の診断と治療を学ぶ。当センターの特徴は、まったくの初心者のレベルから後方斜視鏡挿入、カニュレーション、処置の3段階のレベルを同時に学ぶ研修システムが確立しているところである。特にプレカットの技術と仰臥位のERCPができるように指導している。3年目は、胃のESDの習得を中心に学ぶことができる。
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