小児のHIV感染症
【概要】 小児のHIV感染症の感染経路は、母子感染、血液・血液製剤輸注者、その他である。母子感染は、胎内感染、経産道感染、母乳感染の三つの感染経路があり臨床経過に影響がある。すなわち胎内感染では胎児期にすでにウイルス血症を呈し、急速に免疫不全を発症して高率に死亡する。一方、産道感染や母乳感染では新生児期にウイルス血症となり、成人のHIV感染のように数年を経過して発症する。
【症状】 胎児期感染の臨床症状では、持続する口腔内カンジダ症、体重増加不良、繰り返す呼吸器感染、慢性下痢、肝脾腫、全身リンパ節腫脹、神経症状が診断の手がかりとなる。
【診断】 母親がのHIV抗体陽性とわかっていなかった場合、児の症状が出現して初めてHIV感染を疑うことになる。15~18か月未満の乳幼児の場合、母親からの移行抗体があるため抗体検査では確定できない。DNA PCR法やウイルス培養で確認する。なお、CD4細胞数は年齢により正常値が異なる。

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