導入への流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 05:03 UTC 版)
東京工業大学・学術国際情報センターにおける2002年からのTitech Campus Gridのクラスタ・グリッドに関する研究開発及び運用経験をふまえ仕様が決定され、2005年10月に日本電気 (NEC)、サン・マイクロシステムズなどによる企業連合が落札し、2006年3月から4年の運用契約で導入された。 TSUBAMEでは、「みんなのスパコン」として、既存のスーパーコンピュータシステムでは実施不可能な規模の計算を可能とするとともに、学内外のすそ野の広いユーザー層をとりこみ、将来のシミュレーション科学に携わる人間を養成するため、多くのユーザーにとって簡便なスパコン環境や他のサービスを提供するという、二律背反的な要素を同時に満たすべく、リーダーの松岡聡の下で開発や調達が進められた。 国立大学法人化以前では、大学基盤センターにおけるスーパーコンピュータは、大学の予算とは別途文部科学省から運用予算が直接提供され、それを基盤センターのみの裁量で各メーカーのカタログから選ぶような方法で政府調達し、全国共同利用施設として運用する形態であった。一方、法人化後は大学運営の基本予算である運営費交付金に含まれてスパコンの運用予算が各大学法人に配布されることとなり、その学内における予算の配分は大学の裁量に任されることとなって、大学の他の経費と直接競合することとなった。したがって、TSUBAMEの研究開発においては、スパコンとしての特質はもとより、いかにコストパフォーマンスを革新的に上げるか、全学のメンバーに情報システムとしての利得をもたらして幅広い学内支持を得るか、外部との連携の礎となって社会貢献するとともに東工大に外部資金などをもたらすか、などの従来にない複数の目標を掲げ、それを満たすマシンとしての姿が仕様化された。
※この「導入への流れ」の解説は、「TSUBAME」の解説の一部です。
「導入への流れ」を含む「TSUBAME」の記事については、「TSUBAME」の概要を参照ください。
- 導入への流れのページへのリンク