専用鉄道時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 06:22 UTC 版)
「大井川鉄道DB1形ディーゼル機関車」の記事における「専用鉄道時代」の解説
井川線が大井川電力(当時)の専用鉄道であった時代に、市代(現・アプトいちしろ) - 千頭 - 崎平間の運材輸送を行なうために、当初はガソリンエンジンを搭載した機関車として製造された。 その設計はプリマス製産業用内燃機関車を範とする、当時の加藤製作所製産業用機関車の標準設計に従うもので、ボルトで組み立てられた鋳鋼製の台枠を特徴とする。 大井川電力専用線を762 mmから1,067 mmに改軌した1936年(昭和11年)にDB1 - 6の6両が製造され、同年10月に落成。さらに1938年(昭和13年)にはDB7が製造され、同年3月に落成。7両ともエンジンは米国ブダ社製ガソリンエンジン (64 PS) を搭載し、機械式変速機とチェーンによる2軸駆動であった。連結器はピン・リンク式連結器(朝顔型連結器)を装備していた。 日本が戦時体制に入った1940年(昭和15年)には、全車両が代用燃料化されたが、この時には代用燃料装置を搭載した台車を別に連結して対処した。第二次世界大戦が終わった後もしばらくは代用燃料での運行が続いたが、1950年(昭和25年)ごろにはガソリンの供給が安定したことから、代用燃料の使用を終了している。また、1953年(昭和28年)には全車両のエンジンを三菱重工業製DB5Lディーゼルエンジン (85 PS / 1,200 rpm) に換装している。 専用鉄道が井川駅まで延長された翌年の1955年(昭和30年)10月にはDB8・9の2両が増備されたが、これは新造機ではなく、中部電力東上田発電所の建設に使用されていたものであった。この2両はエンジンが当初よりディーゼルエンジンで、日野DA55 (85 PS) が搭載されており、連結器も通常の並形自動連結器であったが、他の7両も含めた井川線の全車両が、同年12月に小型の自動連結器に交換された。
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