対米開戦への道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:34 UTC 版)
1940年7月、第2次近衛内閣は成立にあたって「基本国策要綱」を閣議決定する。その「国内態勢の刷新」の第1に「国体の本義に透徹する教学の刷新とあいまち、自我功利の思想を廃し、国家奉仕の観念を第一義とする国民道徳を確立す」とされる。この趣旨には「従来の法文科系中心の自由主義・個人主義教育を革新し、国体に基づく人格教育、実社会に役立つ生きた教育を施すこと」という海軍省の要求が含まれている。 1940年9月、政府の教育審議会が「高等教育ニ関スル件」を答申する。大学については「常に皇国の道に基きて国家思想の涵養、人格の陶冶に力むる」ことを目的とし、その達成のために「国体の本義を体して真摯なる学風を振作し学術を通して皇運を無窮に扶翼し奉るの信念を鞏固ならしむること」等を重視するとされる。同年12月、文部省はこの答申を受けて、大学教授は国体の本義に則り教学一体の精神に徹し学生を薫化啓導し指導的人材を育成すべき旨を訓令する。
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